歌舞伎は歴史的な芸能様式です。そのルーツは一人の出雲阿国と言う名の、江戸初期(1603 – 1868)に京都で「かぶき踊り」を披露した女性まで遡る事ができます。また、これまで受け継がれてきた形まで発展したのは元禄時代(1688-1704)だとされています。

煌びやかな衣装や強い感情、「隈取り」として知られる独特の化粧で表現される物語は、伝統的なルーツに忠実でありつつも昨今の流れを汲みとっています。そして大衆娯楽の最前線で観客たちを惹きつけているのです。

京都に位置する歌舞伎の聖地

徳川将軍家は江戸初期に芸能の街として栄えた四条にある、7つの劇場を認可しました。その一つが日本最古の劇場と言われている京都四條南座です。今日に至っても、多くの歌舞伎役者達がこの舞台で素晴らしい芝居を続けています。

勿論ですが、歌舞伎は南座で上演される中でも重要な演目です。様々な催しが年中開催されていますが、中でも12月の吉例顔見世興行は特に人気です。近年ではボーカロイドのバーチャル・シンガー、初音ミクと組んだ「南座超歌舞伎」という公演が、その最新のコミュニケーション技術の駆使と、観客もペンライトを振って応援するなどして参加できる観劇体験を含む制作手法により、多くの話題を呼びました。

日本と西洋の両方を取り入れた豊かな感性を基に設計されています。

南座を訪れる際は内装や外観にも目を向けてみてください。モダンな劇場は1929年の設立当初の設計が基となっています。外の切妻(屋根)には桃山時代(16世紀後半から17世紀初期)の特徴とされる壮大な一面も見られます。
内部では日本の建築様式と、照明に用いられているアールデコ調が素晴らしく調和しています。特に照明は見事で、海外でも称賛されている美しい建造物となっています。

改修後、劇場は更に快適になりました。

耐震改修工事を経た後、劇場は2018年に再開場しました。高齢者や障がい者の方にとっても便利に作られており、椅子もより快適で広い仕様に入れ替わっています。

独特の内装と外観の魅力を維持しながらも公演をより手軽に楽しんでもらえるよう、舞台上は最新技術により新たな設備に更新されました。公演の解説が聞ける劇場パーティー等といった、歌舞伎初心者向けの企画もこの先計画されています。
劇場内部は観劇の手軽さと心地よさを目的につくられています。照明設備や繊細な装飾にも注目してみてください。
幕あいの際に楽しめる飲食店が近くに数多く存在しています。歌舞伎を鑑賞しながら近隣の有名店も楽しみましょう。